天文屋日記
天文屋のスーダラ日記です。
(気まぐれ不定期更新)
画像をクリックすると拡大されます。

 
2007年4月15日(更新日4月17日、4月18日画像追加)
三重地震と地震雲と私)

2007年4月15日12時19分、三重地震発生の瞬間、天文屋は自宅の部屋にいました。
本震のおよそ2,3分前、震度3程度の前触れ地震があり、「地震なんてたいしたことないさ」と余裕ぶっこいていたら、
初期微動無しにいきなりドデカイ揺れが「ドッカ〜ン」。
「とうとう東海地震がきた〜! 世界の終わりじゃ ○△×#★Я*」 (慌てふためく天文屋) 

【我が家の被害報告】
以下の様な極めて重大な被害が発生しております
・オライオンの鏡筒バンドが棚から転がり落ち、少し傷が付いた
・スペースシャトルのプラモデルの前脚が折れた(タミヤセメントにて修復済み)
(しょーもない被害やな とか言うな)

地震の情報を得るためにTVをつけてNHKを見ていると、震源地は天文屋の住まいからわずか20kmほど東の方向の
亀山市とのこと。なんじゃそりゃ〜、ほとんど足元やん。

TVを見ていて思ったのは、震源地近くのJR関西本線やJR草津線の運行情報が全く伝えられず、大阪方面の鉄道や
新幹線の情報ばかりが流されていたということ。
NHKさんよ、震源地直近のローカル線は無視ですか? ホント役に立たんなもう視聴料払わへんぞ
春になると、NHK総合TVはスポラディックE層起因の電波干渉で画像が乱れるし。どうにかしてや

あと、気付いたことと言えば、ニュースの中で、亀山の特産品「ローソク」のことには全く触れられていなかったということ。
ローソクの代わりにSHARPの亀山工場のことばかりが報道されていました。
亀山の特産品は、もはや「ローソク」ではなく「液晶TV」なのか?

【地震雲】
地震発生からわずか30分後の12時50分、東の空を眺めると何やら怪しげなものを発見。
龍の様な形をした奇妙な雲が見えたので「これは地震雲なのでは?」と思い、慌ててD200を取り出し
夢中で撮影しました。方角は震源地の方向とピタリと一致。多分地震雲に間違いないでしょう。
背景の空が曇っており、非常にコントラストが低くて目立たなかった為、気付いた人はほとんどいないのでは
ないでしょうか。
(下の画像は全て、Nikon D200 + Nikon AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)で撮影したものです)

三重地震発生から34分後の2007年4月15日12時53分
天文屋の自宅(三重県伊賀市)から亀山方面の空を撮影
(オリジナル画像に解像度変更のみを実施したもの)

このままではコントラストが低すぎて良く見えませんが、画像処理を施すと ⇒⇒
左の画像に強力な画像処理を施し、コントラストを強調した画像。
禍々しい、異様な姿の雲が浮かび上がってきました。
湧き上がった雲が一定の高度に達した後、拡散している様に見えます。
(四隅が暗く見えるのは、画像処理により光学系の周辺減光が
強調されている為です) 

三重地震発生から32分後の2007年4月15日12時51分
天文屋の自宅(三重県伊賀市)から亀山方面の空を撮影
(オリジナル画像に解像度変更のみを実施したもの) 画像処理を施すと ⇒⇒
左の画像に強力な画像処理を施し、コントラストを強調した画像。
画像処理により、複雑な構造が確認できる様になりました。
この後、13時20分頃には形が崩れ、肉眼では確認できなくなって
しまいました

ここで一句。
地震起き、あわてふためき空眺め、持ってて良かったD200 (おそまつ)

あっ、季語を入れるのを忘れた。いや待てよ、地震は季語かも?

2007年1月30日(更新日1月31日)
(Nikon D80のファームウェアがバージョンアップされる)

2007年1月30日、Nikon D80の発売開始からおよそ5ヶ月が経過しましたが、
ようやく D80のファームウェアがバージョンアップされました。

  ファームウェアA:Ver1.00 → Ver.1.01
  ファームウェアB:Ver1.00 → Ver.1.01

  ダウンロードページ(D80/Windows用)
  http://www.nikon-image.com/jpn/support/downloads/digitalcamera/firmware/d80/va101b101jw.htm

どの様な点が変更されたのかというと・・・・・
  
   (1)カメラの撮影モードを下記の設定にしたとき、被写体が明るすぎたり暗すぎたりしてカメラの制御範囲を
      超えている場合に、ファインダー内に露出インジケーターを表示するように仕様を変更
      ・撮影モードをシャッター優先オート [S] または絞り優先オート [A] に設定し、内蔵フラッシュをポップアップさせたとき
      ・撮影モードをプログラムオート [P] に設定したとき
   (2)撮影メニュー「長秒時ノイズ低減」の処理効果を向上
   (3)パソコンで編集した画像を D80 の画像編集メニューを使って編集するとカメラがハングアップすることがあるため、
      パソコンで編集した画像に対して、カメラで編集できないように仕様を変更
   (4)英語、ポーランド語、スウェーデン語、中国語(繁体字)のメニュー画面の誤りを修正

おおお、やったー。「長秒時ノイズ低減」の処理効果も改善されてるみたいだゾー。
天文屋はNikonホームページの問い合わせコーナーを通じて「次回のファームウェアバージョンアップ時にD80の
長秒時ノイズ低減機能を改善して下さいませ」とNikonの担当者に依頼をしていたのですが、律儀に要望を聞き入れて
くれたみたいです。

ところで、新ファームウェアではどれほど「長秒時ノイズ低減」の効果が改善されているのでしょうか?
早速検証してみることにしました。
( 「うわあ、天文屋って暇人〜」 とか言わないようにお願いします・・・ )

(注)撮影条件
   ・全て気温25℃にて撮影
   ・長秒時NR ONの画像は、カメラに搭載されているノイズ低減機能を使用してノイズを除去したもの
   ・撮影画質:JPEG FINE、画像サイズ:L(3872×2592) にて撮影
    (拡大画像の解像度は3872×2592→800×535にリサイズしたもの)
   ・ノイズを強調するため、全画像にレベル調整(0〜255→0〜50)を施した

(1)長秒時NR OFF時
    (カメラの長秒時ノイズ低減機能:
OFF、高感度ノイズ低減機能:標準、その他の設定:工場出荷時の状態 にして撮影)
D80
(
ファームウェアA:Ver1.00,B:Ver1.00)
D80
(ファームウェアA:Ver1.01,B:Ver1.01)
ISO400
露出時間5分
ISO800
露出時間5分
ISO1600
露出時間5分
ISO800
露出時間10分

新ファームウェアの方が若干、画像に輝点ノイズが多く見受けられます。
それにシャープネスも強めに掛かっている様な気がします(気のせい?)
長秒時NR OFF時の画像処理にも何らかの手が加えられているのかもしれません(確証はありませんが)。
ISO400撮影時に画像上辺の隅部分に現れる熱カブリノイズが異常に多いという傾向は相変わらずです
(何でこうなるんでしょうねえ?)


(2)長秒時NR ON時
(カメラの長秒時ノイズ低減機能:ON、高感度ノイズ低減機能:標準、その他の設定:工場出荷時の状態 にして撮影)
D80
(ファームウェアA:Ver1.00,B:Ver1.00)
D80
(ファームウェアA:Ver1.01,B:Ver1.01)
ISO400
露出時間5分
ISO800
露出時間5分
ISO1600
露出時間5分
ISO800
露出時間10分

おおおお〜大幅に改善されてるゾー!!
よーく見るとまだ若干ノイズ(NRで潰しきれなかった熱カブリノイズ?)が残っていますが、
以前の画像と比較すれば明らかに改善されております。輝点ノイズについてはほぼ皆無です。
ヤタ━━━━ヽ( ^∀^)ノ ヽ(^∀^)ノ━━━━ !!
(これにて汚名挽回返上)

Nikon D80をお持ちの方は、(天体撮影をされない方も含めて)今すぐファームウェアの
バージョンアップを行うことをオススメします。

2006年11月2日グレージングの解析)
HIP109122星(ZC3236星)7.1mag 南限界線グレージングの解析を行いました。
デジタルビデオカメラの動画をパソコンに取り込んでAVIファイルに変換し、LIMOVIE(注)を使用して
解析を行おうとしたところ、TIViの秒表示情報が読み取れない事に気付きました。
スレッショルドレベルをいくら調整しても読み取れません。どうやら、時刻表示のスーパーインポーズを
月面の輝部に表示させていることが原因の様です。いや〜迂闊でした。
恒星の輝度変化の情報は読み取れるんですが、時刻情報が付いてないと解析のしようがありません・・・。
(解決方法を御存じの方がおられましたらメール下さい)
古典的手法ではありますが、結局、TV画面で動画をコマ送り再生して解析するハメに・・・。
結果、5D5Rは確実そうでした。
動画(AVIファイル)を動画コーナーに置いておきますので御覧下さいませ。
(但し、ファイルサイズが巨大ですので御注意下さい)

 (注)LIMOVIEとは
  宮下和久氏作成の 「ビデオ画像用光量測定ソフトウエア」 のこと。
  星食観測に実に便利。光量変化を数値化し、TIViの時刻スーパーインポーズの情報も
  同時に取り込んでCSV形式のファイルに出力可能。
  このCSVファイルをエクセルで読み込めば光量の時間変化のグラフが作成できます。

LIMOVIEにて解析中の画面
TIViの時刻表示が月面の輝部にあるために
LIMOVIEで秒表示の情報を読み取れない?
(迂闊でした)
 
2006年10月31日(更新日11月1日)グレージング観測)
夕方にスワン彗星の撮影を終えてから、HIP109122星(ZC3236星)7.1mag 南限界線グレージング観測
(恒星が月縁に接触して起こる明滅の観測)の準備を始めました。
忘れ物をしない様、持って行く機材を一通り組み立てて動作チェックを実施。
そして、本番さながらのリハーサルも行いました(経験上、ここまで徹底的にやっておかないと、
いざ本番で何らかのトラブルに遭遇する確率が非常に高いのであります)。
使用した機材は、望遠鏡:Meade LX200-20/F10、ガイド鏡:BORG 76ED、CCDカメラ:Watec WAT-100N、
ビデオカメラ:SONY DCR-PC3、時刻保持装置:GHS時計+Tivi。撮影法は直焦点撮影。
観測地点には接触予想時刻の50分前に到着。20分前には準備完了しました。
観測結果は大成功。

 σ゜Д゜)σゲーッツ!(って、もう古いか?)

まだ解析していませんが、ビデオをざっと見たところでは何度も見え隠れを繰り返しています。
(三重県伊賀市での参加者は7名。観測成功者は4名で、5箇所(4カ所かも?)で成功しました)
目的星が十分明るく、いずれも暗縁潜入、暗縁出現でしたので解析は楽チンと思われます。
同時に日本の他の地点でも観測が行われていたそうです。
どんな結果が出るのか楽しみです。
      
車の右側が田んぼにはまりかけました
((;゜Д゜)オイオイ

2006年10月17日狼煙大会 じゃなくて 花火大会)
本日は近所の某T神社での花火大会。
ここの奉納花火は「願火」と呼ばれ、伊賀流忍者の「狼煙」が発祥と伝えられています。
え〜今頃花火大会やってんの?季節外れやな〜と思われた方が多いのではないでしょうか?
伊賀地域で一番遅い時期に行われている奉納花火大会であり、日本中を見回してもこんなに遅い時期に開催されている
例は珍しいそうです(え?ディズニーランドは冬でもバンバン花火上げてるって?それ奉納花火大会とちゃいまんがな)。

「これはぜひとも日記ネタにしたい」ってわけで、Nikon D80の登場。
使用したレンズはNikon AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)
ほんまによう写る、ええレンズです。高倍率ズームレンズとは思えない素晴らしい描写特性です。
全部で70枚くらい撮影しましたが、その中で最も写りが良かった画像3枚をチョイスしました。
撮って出しの画像では発色が薄いと感じたため、色を記憶色に近付ける様、調整してあります。
Windowsの壁紙に誤使用 御使用下さいませませ。

2006年9月19日
京都大学信楽MU観測所のレーザー光:その2)
2006年9月19日の午前0時50分ごろ、私の自宅(三重県伊賀市西湯舟)から緑色の光線が西空に見えました。
仕事から帰って来る途中、車を運転中に気が付きました(おいおい危ねえなア、何処見て運転してんだよ)。
家に到着して直ちにスクランブル発進。日記ネタじゃー。えーとD200は何処ダー(バタバタ)。
もっと綺麗に見えていた時もあったのですが、どうやら上空のモヤのかかり方によって見え方が大きく変化するらしく、
撮影時にはボンヤリとしか見えていませんでした。はっきりと見える様になるまでしばらくその場で待機していたのですが
雨が降ってきたのでやむなく撤収。結局この2枚しか撮れませんでした。
これは滋賀県の信楽にある京都大学の研究施設が上空の温度や水蒸気量を測定するために上空に向けて
レーザー光を照射しているものです(2003年1月25日の日記で紹介しているものと同じです)
天体撮影中にLASERを照射されたら苦情の電話を京大に入れるかも・・・(まさかそんな内容で苦情が来るとは思うまい)。
今晩は曇っているので、思う存分 御自由にどうぞ・・・
   
Nikon D200、ISO800(長秒時NR:ON)
+TAMRON28−75mm(28mm)
絞り開放(F2.8)にて30秒間露光
Nikon D200、ISO400(長秒時NR:ON)
+TAMRON28−75mm(38mm)
絞り開放(F2.8)にて60秒間露光
人工衛星から撮影した
京都大学信楽MU観測所
の画像
(By Google Earth)
   
2006年9月8日D80インプレッション 衝撃の事実判明

D80とD200の長時間露光時のノイズの出方と、カメラのNR(ノイズリダクション)機能の効き方を比較しみた。
その結果、意外な事実が次々に明らかとなった。

(注)・全て気温25℃にて撮影
   ・長秒時NR ONの画像は、カメラに搭載されているノイズ低減機能を使用してノイズを除去したもの
   ・撮影画質:JPEG FINE、画像サイズ:L(3872×2592) にて撮影
    (拡大画像の解像度は3872×2592→800×535にリサイズしたもの)
   ・ノイズを強調するため、全画像にレベル調整(0〜255→0〜50)を施した

(1)長秒時NR OFF時
    (カメラの長秒時ノイズ低減機能:
OFF、高感度ノイズ低減機能:標準、その他の設定:工場出荷時の状態 にして撮影)
D80 D200
ISO400
露出時間5分
ISO800
露出時間5分
ISO1600
露出時間5分
ISO800
露出時間10分

D200では撮影感度が上がるにつれてほぼそれに比例してノイズも増えているが、D80ではISO400撮影時の
ノイズがISO800、ISO1600と比較して異常に多いということが判明した。
これについては、JPEGと同時記録したRAW画像においても全く同じ傾向であった。
テスト失敗の可能性も考慮し何度も繰り返し試してみたが、ISO400撮影時のノイズが異常に多いという結果が
覆される事はなかった。また、高感度ノイズ低減機能(注:長秒時ノイズ低減機能とは別の機能)をOFFにして
試してもみたが、結果は同様であった。

[この原因について(天文屋の見解)]
D80では、高感度撮影時(ISO800以上)にノイズを除去するための特殊な処理が掛けられている。
(これは、同じCCDを使用しているSONY α100の画像と比較してノイズ感が全く異なっている(D80の方が圧倒的に
 低ノイズに見える)ことからも明らかである)
そのノイズ低減処理はRAW画像の段階で既に実施されている。ISO400撮影時の画像にはその処理が弱めにしか
掛かっていない、あるいは処理が全く掛けられていないため、より高感度で撮影した画像と比較し、ノイズの量において
逆転現象が起きてしまっている(のではないだろうか?) (以後、これを逆転現象と呼ぶ)
高感度ノイズ低減機能をOFFにしてもこの逆転現象を解消する効果は見られなかった。
ユーザー側の設定、操作ではどうにもならないらしい。



(2)長秒時NR ON時
(カメラの長秒時ノイズ低減機能:ON、高感度ノイズ低減機能:標準、その他の設定:工場出荷時の状態 にして撮影)
        D80         D200
ISO400
露出時間5分
ISO800
露出時間5分
ISO1600
露出時間5分
ISO800
露出時間10分

衝撃の事実!!
D80本体の長秒時ノイズ低減機能では
ノイズを充分に除去できないことが判明。


何回試してみてもD80では長時間露光時のノイズ(特に熱カブリ)がきれいに除去できず頭を抱えてしまった。
しかも、ノイズ除去後においても前述の逆転現象がまだ見られることにびっくりした。
(ということは、前述の逆転現象に関する見解は間違っていたということか?)
D200のノイズ発生量はD80よりはるかに多いが、ノイズ除去に関してはほぼ完璧に行われている。D80の結果とは対照的である。
(私のD80だけが故障しており、他の個体では問題ないのであろうか?)

こんなことは書きたくないが、D80はカメラ本体の長秒時ノイズ除去機能を使用して天体画像の撮影を行うには
難有りなカメラである。

それは、「ハードウェアの性能起因」ではなく、ソフトウェアが原因である様に思われる。
どうやら、撮影画像に含まれるノイズと同量のノイズをうまく除去できていない様だ。
ファームウェアのバージョンアップで改善できれば良いのだが・・・。
Nikonの今後の対応に期待したい。

(注)今回検証したD80のファームウェアのバージョン
     A:Ver 1.00
     B:Ver 1.00


PS.RAPやStella Image等の、RAWファイルを直接読み込んで減算処理を掛けることのできるソフトウェアを使用すれば
   D80の撮影画像でも正確なノイズ除去が可能であると思われる。但し、今のところ両ソフトともD80のRAW画像読み込みには
   未対応である。(RAPに関しては近日中にD80対応が行われるとのこと。希望者に対してはD80対応バージョンのβ版も
   配布されている)

PS.RAPのD80対応バージョンのβ版を使用すればノイズ除去が正常に行えることを確認した。

2006年9月1日(更新日9月3日)
D80到着&MULTI DC-DC CONVERTER完成


   

  ヽ(´Д`ヽ)(/´Д`)/
 Nikon D80到着しますた。

 あ〜〜〜〜石を投げないで下さい
 ==●(つД`)・゜・ グエッ。
 (一体何台買うつもりだ、こいつは? とか 思われた方々、どうもすんません) <(_ _)>

 D80は小さくて、軽くて、高画質。D200の小型版。
 いろいろ試してみましたが、高感度撮影時(ISO800以上)のノイズはD200より少なく、かなりいい感じ。
 但し、長時間露光時の熱カブリはD200より多めでした(そのへんのお話はまた後日・・・)。
 
 そして、MULTI DC-DC CONVERTERも完成。早速、D80、D200を接続して動作テストを実施してみました。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 [MODE B]   
まずはD80を接続。
DC12VをDC9Vに変換して使用します。
最も厳しい動作条件、最高シャッタースピード1/4000秒にて
連写を行い、異常な動作状態に陥らないことを確認しました。
使用したSDカードはLexarの133倍速品 2GB。JPEG最高画質で100コマ連写が可能です。

連写中、電流計が最大1.5A程度まで振れましたが、
100コマ目まで正常に撮影できました。大成功。 

同様に、EOS Kiss DN(DC7.4V)、D70(DC9V)、Coolpix990(DC6.5V)を
試してみましたが、全て成功しました
 ヽ(゜∀゜)ノ 万歳〜
D80を接続
DC12V→DC9V変換

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 [MODE A] 
D200を接続
DC12V→DC13.5V変換
背面の状態
ACアダプター「EH-6」のコードを改造して接続。
MODE Aでは背面のB端子から
DC24Vも出力されている
D200用ACアダプター EH-6の改造
φ2.1のDCプラグ(オス、メス)にて改造。
改造後もACアダプターのコードとして
使用できるのが特長
 
 次にD200を接続。DC12VをDC13.5Vに変換して使用します。出力が11Vを超える電圧の場合、動作モードを「A」に
 設定する必要があります。電圧を13.5Vに合わせ、最も厳しい条件のシャッタースピード1/8000秒にて100コマ連写を
 実施しました(使用したCFはSandiskのExtremeV2GB)。
 連写中、電流計は最大で2.0A近くまで振れましたが、100コマ目まで正常に撮影できました。こちらも大成功。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 MULTI DC-DC CONVERTERの詳しい内容については、後日天文屋工房内で紹介の予定です。

2006年8月25日
太陽系第9惑星が消滅
 IAUの総会にて、冥王星が惑星の座を追われる(矮惑星に降格される)ことが決定しました。

 しかし、まさか降格されるとはねえ・・・。カロンやセレスが惑星と認定されないのはしようがないとしても
 冥王星は惑星として残しておいた方が良かったのでは?
 (20世紀、21世紀初頭に作られた宇宙モノのアニメや小説において冥王星が惑星として描かれているのを後世の人々が見たら、
  「古臭い」、「時代を感じさせるなあ」とかいった感想をもらすのでありましょうか?)

 それにいくら何でもややこしすぎる。
 教科書の書き換えは2008年度からで、2007年度の教科書にはまだ、「冥王星は太陽系第9惑星である」と記載されるとのことですが、
 2008年以降の理科や地学のテストで、「冥王星は惑星である」という認識のもとで回答を書いたら×になるのでしょうか?
 教科書が全て書きかえられたとしても、宇宙関連の書籍が全て改訂されるわけでも、旧版の全てが回収されるわけでもないので、
 半分くらいは点数を与えるべきです (と天文屋は考えますが)。

 後記:教育現場の混乱をなるべく避けるため、教科書の書き換えは2007年度から実施されることになりました
2006年8月17日
MULTI DC−DC CONVERTER製作中

 DC12Vのバッテリーを電源とした多用途電源を製作中です。後日、天文屋工房内で紹介します。
 外見は完成している様に見えますが、中身は未完成です。

          

 特長
 (1) タカハシ製赤道儀へDC24Vを供給可能(モードA動作時)
 (2) 広い電圧可変範囲 DC4.8〜20V出力(モードA動作時)
 (3) 上記(1)、(2)の同時使用が可能(モードA動作時)
 (4) 高変換効率:85%(モードB動作時)
 (5) 入出力端子B、出力端子Cの双方にデジタル電圧計とアナログ電流計を装備
 (6) 多機能なわりにはコンパクトな本体サイズ W170mm、D100mm、H70mm(突起部を含まず)
 (7) 冷却用ファン装備(ON/OFF切換え可能)
 
 動作モードA : [入力(A端子)]DC12V→[出力(B端子)]DC24V(MAX3.5A)→[出力(C端子)]DC4.8〜20V(MAX4A)
 動作モードB : [入力(B端子)]DC12V→[出力(C端子)]DC4.8〜11V(MAX2.6A)
  (動作モードA,Bは切換えスイッチにて、どちらか一方を選択して使用)
 
 注1.画像は開発中のものです
 注2.事前の予告なしに仕様を変更する場合があります
 注3.受注生産を行うかどうかについては今のところ未定です(工業製品というよりは手工芸品に近い代物ですので・・・)
2006年8月17日二重惑星誕生?)

 8月15日からようやく盆休みに入りました。「さあ撮影するぞ」と意気込んだら台風が接近してきました。
 世の中、うまくいかないものです。悪雲退散〜〜!

 ところで、太陽系の惑星が12個になるかもしれないという話題で持ちきりですが、元小惑星のセレスを惑星にしてしまうのは
 いかがなものかと・・・。(4大小惑星の仲間の、パラス、ジュノー、ベスタの立場はどうなるの?)
 冥王星よりもサイズが大きな小惑星「2003UB313」が惑星候補となったのはまあ妥当な気がしますが、元冥王星の衛星「カロン」が
 候補に上がったのは意外でした。ということは、冥王星とカロンは二重惑星?
 それって、ガミラス星とイスカンダル星みたいなもんか?(←実にわかりやすい例え)
 今後も巨大なエッジワース・カイパーベルト天体の発見が相次ぐでしょうから、惑星の数はまだまだ増えそうな予感がします。
 あっという間に元素の周期表みたいになって、地学の授業で覚えなければいけないことが山の様に増えてしまうのでは?
 そんなことになったら学生達が暴動を起こしそうやなあ・・・。
2006年7月27日Nikonの新製品はD80?)
 
 Nikonの新製品、D80の画像が流出?
 日本時間の7月27日早朝、ヨーロッパのニコン公式サイトでこれらの画像が閲覧できたとのこと。
 (現在は消去されており、見れなくなっています)
 話題性を高めるため、わざと情報をリークさせたのではないでしょうか?

 見たところ、ボディーサイズはD50とほぼ同じで、LCDは2.5インチ程度。
 ボディー側面のフタのサイズが小さいため、記録メディアはSDカードの可能性が高そうです。
 手ブレ補正機能らしきボタン類は見当たりません(がっかり)。
 CCDのゴミ取り機能が搭載されているかどうかはこの画像からはわかりません(あまり期待できそうにない?)。
 価格は、おそらく10万円前後といったところでしょうか?

 D200は 偽色、偽解像の発生を極力抑えるという設計思想で作られており、やや強めのローパスフィルターが
 採用されています。しかし、そのことが原因で 1020万画素相当の解像度をあまり感じ取れない眠い画像となって
 しまっている様に感じます。
 こちらの新製品は、(D70がそうであった様に、)多少の偽色、偽解像の発生は許容したとしても解像度を重視する
 設計であって欲しいものです。
 
    


    
2006年7月25日絞り環の無いレンズ不要論)

 SIGMAの新製品、「開放絞り値の明るい円周魚眼レンズ 8mm F3.5 EX DG CIRCULAR FISHEYE 」の発売日が本日
 発表されました。F値が明るくなった(旧製品:F4.0→新製品:F3.5)ということもあり、このレンズにはたいへん注目しておりました。
 (Nikonマウント用は8月24日発売とのこと)。
 でも、http://www.sigma-photo.co.jp/news/8_35_ex_dg.htm の下の方をよーく見ると、非常に小さな文字で

 「本製品のニコン用、ペンタックス用は絞り環がありません。カメラボディによっては、 使用に制限のある場合がございます」

 などというふざけたことが書かれております。
 F4.0の旧製品(DG化される前の製品:下の画像参照)には絞り環は付いていたのに、これでは改悪です。
 絞り環は2005年の11月に発売が開始された「8mm F4.0 EX DG CIRCULAR FISHEY」の時点で既に省略されてしまって
 いるのですが、開放絞り値の明るい新製品では復活するかもしれないと淡い期待を抱いていたわけです。
 ところが、やっぱり新製品でも省略されていました。許せ〜ん
!!
      
 
旧製品(DG化される前の製品) 2006年夏発売の新製品
 
 最近、絞り環の無いレンズが急速に増えつつあります。
 先日発売が開始された APO 70-200mm F2.8 EX DG MACRO HSM にも絞り環が有りません。
 旧製品のAPO 70−200mm F2.8 EX DG HSMには絞り環があったのに・・・。
 何で絞り環の無いレンズなんかつくるんだよ・・・バカヤロ〜。
 絞り環の無いレンズなんか「手抜き」以外の何モノでもないゾ〜。
 
 天文屋が絞り環の無いレンズを毛嫌いする理由は、

 (1)カメラ本体側に絞りコントロール機能の付いていないカメラ(例えば35mm銀塩フルマニュアルカメラのFM10)
    で使用すると最小絞り固定となる(つまり使いものにならない)
 (2)マウント変換アダプターを使用してCanon EOS系のカメラに取り付けた場合、絞りがコントロールできないため
    最小絞り固定となる(これも使いものにならない)
 (3)マウント変換アダプターを使用してC、CSマウント系のCCDカメラモジュールに取り付けた場合、絞りがコントロール
    できないため最小絞り固定となる(またまた使いものにならない)
 (4)Nikonマウント変換アダプターを使用して冷却CCDカメラに取り付けた場合、絞りがコントロールできないため
    最小絞り固定となる(またまたまた使いものにならない)

 一方、Nikonやレンズメーカーが最近になって絞り環の無いレンズを好んで作りだした理由は、

 (1)絞り環を付けないとレンズのコストダウンが実現できる
 (2)絞り環を付けないとレンズをコンパクトに設計できる
 (3)絞り環を付けないとレンズを軽量化できる
 (4)今やデジタルカメラ全盛の時代。Nikonのデジタル一眼レフカメラで本体側に絞りコントロール機能の付いていない
    機種は存在しない。よって、絞り環を省略してもかまわない(売れ行きには影響しない)という認識を持っている

 といったところでしょうか。

 メーカー側の思惑はともかく、天体写真家にとって絞り環の無いレンズは「使えないシロモノ」です。
 世の中のレンズが全て絞り環の無いタイプに切り替わってしまったら大問題です。
 皆で一致団結して「絞り環の無いレンズは要りません」メーカーに訴えましょう。
   
2006年7月20日まさかD200sってことはないよねぇ・・・)

 Nikonのホームページ
 http://www.nikon-image.com/jpn/index.htm
 に気になるティーザー広告が掲載されとりました。
 どうやら、詳細については8月9日頃発表の予定らしいです。

  より美しく。
  より速く。
  より自由に。
  より多彩に。
  もう一台の新しい10.2メガピクセル。
  高性能をコンパクトなボディーに凝縮。
  このカメラが、あなたを変える。


 って、D70sの後継機かいな?
 すると型番はD80とかD90とか・・・。
 頃合からすると、D70sの後継機の可能性が高そうだけど
 まさかD200sってことはないよねえ・・・
 D200を2チャンネル読み出しにして縞々が出ないバージョンを作りました・・・とか(笑)
 文面からすると、サイズがD200より小さなものであることは間違いなさそうですが、
 (重量もD200より軽い?)その他の性能でD200を超えている部分があるのかどうか
 非常に気になります。

 ところで、型番の後ろに付いている「s」とは一体何でしょうか?
 (例)D70の場合:D70s
    D2Xの場合:D2Xs
 天文屋的解釈:「s」はsorry (こんな改良版、今頃出してどうもすんません)の「s」にマチガイナイ!!
            (↑もちろんウソですので信用しない様に・・・)
 
2006年7月16日メッキッキ大作戦 ヽ(゜∀゜)ノ

 2005年11月の天文屋日記の中でも再メッキの件について少し触れていますが、
 Meade製ドブソニアン、ORION製ニュートン鏡筒の主鏡と斜鏡を
 遂に再メッキ出しすることにしました。

[再メッキ決断の理由]
(1)Meade製ドブソニアン DOB32
  主鏡は緊急に再メッキが必要というほど酷いコンディションではないものの、購入後10年以上が経過している
  のでそろそろ再メッキしたい・・・。
  斜鏡は、不注意でカビを発生させてしまい跡が残ってしまっているため、こちらは何としても再メッキが必要な状態。
  (画像が下に有ります。これでは使えん(泣))。

(2)ORION製ニュートン鏡筒
  主鏡のメッキが一部分剥げてしまっている状態なので再メッキしたい・・・。
  斜鏡には目立たないキズが1本有るものの、程度は比較的良好・・・ええい、この際、斜鏡も再メッキしてしまえ〜(勢いで)
  どうせ再メッキに出すのであれば、一度に数多く依頼した方が値引き率が高くなるかもしれないし(考えが甘いか?)


 ここで1曲。

 再メッキのブルース、再メッキのブルース
 ニュートン反射望遠鏡のはなしやけどぉ〜
 鏡面のメッキが剥げたりぃ〜、傷が付いたりした時ぃ〜
 再メッキに出すかぁ〜、それともぉ〜、やめとくかはぁ〜
 自由だア〜〜〜〜〜〜〜
 再メッキ is FREEDOM、再メッキ is FREEDOM
 再メッキ is FREEDOM、再メッキ is FREEDOM
 でもぉ〜、再メッキ完了後、間違いなく光軸調整で泣くことになるでぇ〜

 (人格が疑われそうなので、オフザケはこれぐらいにしておきます。え?手遅れですか?)
 (↑これ何?という方は某TV番組「エンタの神様」を御覧下さいませ。番組の終盤あたりにヒントが・・・)

  主鏡の外観
  
 左:Meade製ドブソニアンDOB32の主鏡(φ31.8cm、F4.8)
 右:ORION製ニュートン鏡筒の主鏡(φ25cm、F4.8)


 Meade製ドブソニアン STARFINDER DOB32の
 主鏡と斜鏡
を外してみました

 主鏡+台座(裏面側)とセル
主鏡は3本の光軸調整ネジ(押しバネと引きネジを組み合わせたもの)でセルに固定されている。押しネジは使用されておらず、主鏡の保持強度にはやや不満
有り。
 主鏡+台座(表面側)とセル
光軸調整ネジを締め付けるとバネの弾性でテンションが掛かる仕組みとなっている。バネはスペーサの長さ以上には縮まない。


     主鏡+台座
主鏡と台座の間はシリコンの様なもので
3箇所で接着されている。かなり強固に
接着されており、簡単には外せない状態(どうやって外したらええねん?ブツブツ)

斜鏡(1)
DOB32の斜鏡をスパイダーから
外した状態。2個のロックナットの
位置で斜鏡の位置(センタリング)を
調整する仕組みとなっている
斜鏡(2)
スケアリング調整機構は
1本の引きネジと3本の押しネジ
(傾斜角調整ネジ)で構成されている

斜鏡(3)
斜鏡のミラー部はスポンジの様なものを介し、支持金具と面で接着してある。
これも簡単には外せそうにない
(どないしたらええねん?ブツブツブツ)
斜鏡(4)
カビとキズでボロボロの斜鏡表面。
カビを拭いても跡が消えないため
再メッキせざるを得ない状況に・・・

(絶句
)

 DOB32をバラしてみての感想
 本製品は、使用者が鏡材を再メッキに出す事など想定されていない設計らしく、主鏡と主鏡台座(コルクボード製)、斜鏡と斜鏡セル間が共に
 ガッチリと接着されており、メンテナンスを行うには非常に不便な構造となっています。
 製品価格を考慮すれば致し方ない設計とも言えますが、もう少しどうにかできなかったのでしょうか。

 Meade製ドブソニアンは既に「LIGHT BRIDGEシリーズ」に世代交代していますが、メンテナンス性が改善されているのかどうか非常に気になります。


 ORIONニュートン鏡筒の主鏡と斜鏡を外してみました

  ORIONの主鏡とセル(1)
センター部分に付いているのは
光軸合わせ補助のためのマーク

(当然、再メッキを行うにはこれを
剥がす必要有り。グスン)


  ORIONの主鏡とセル(2)
主鏡の位置決めは、3本の引きネジ
(光軸調整ネジ)と3本の押しネジで
行う仕組みとなっている。

  ORIONのセル(1)
下面3点、側面3点の樹脂製埋め込み形
ボルトで主鏡が固定されている。
上面はフェルトが貼られた金属板
3点で固定されている。
主鏡の付け外しは実に簡単。
  ORIONのセル(2)
内側のネジが引きネジ(光軸調整ネジ
外側のネジが押しネジ。光軸調整は
押しネジを緩めた状態で行う。光軸調整
完了後、押しネジを3本とも均等な力で
締めるのがミソ
 
   斜鏡と支持金具(1)
斜鏡と支持金具の間は弾性のある
樹脂の様なもの3で点接着されている

   斜鏡と支持金具(2)
これなら斜鏡を簡単に外せそう
(でも、再貼り付け時に位置決めで
 かなり悩みそうな気もする・・・)
斜鏡と支持金具(3)
斜鏡を支持金具から外した状態
ああ、やっちまった
もう後へは引けない・・・

 ORION製ニュートン鏡筒をバラしてみての感想
 ORION製ニュートン鏡筒は、出来の良いセルの構造に助けられ、主鏡の取り外しが比較的容易でした。
 主鏡を外す際にも、再度主鏡を取り付ける際にも、セルの光軸調整ネジは触る必要が無いので、メッキ完了後、主鏡をそのままセルに取り付ければ
 ある程度光軸の再現性が得られるのではないかと思われます。ただ、斜鏡の支持方法に関してはかなり手が抜かれており、外すのは容易であっても
 再度支持金具に取り付ける際に位置合わせ(センタリング)でえらく苦労しそうであります。




天文屋日記のTOPへ戻る